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よむシカない!

過去3年間の救護所の状況から②

■過去3年間の救護所受診状況から■

 

それでは、これらの症状を克服するために、今からどんな対策が可能でしょうか?

 

【対策1】 けいれん対策は①塩分補給、②マイルドなストレッチ.

①塩分補給…脚がつる原因にはいくつか有りますが、塩分不足は脚がつる主な原因の1つです。長時間身体を動かすフルマラソンでは冬でも大量の汗をかきます。汗には1リットル当たり塩分が1.5~4g含まれているといわれていますので、3,4時間以上走り続ける場合、スポーツドリンクの塩分だけでは補給が足りません。補給は水分、糖分だけでなく、梅干しや塩などで塩分も摂ってください。特に後半になるほど塩分補給が効いてきます。エイドステーションには塩が置いていませんので、自分でウエストポーチやポケットに携帯すると安心です。塩は、100円ショップに売っているチャック付きの小袋に分けて入れるといいです。梅干はそのままだと携帯しにくいので、チューブに入ったペースト状の梅が便利です。あるいは干し梅でもいいです。

②マイルドなストレッチ…筋けいれんは筋肉の収縮が自分でコントロールできない状態です。けいれんした筋肉は、痛みが出ない程度にゆっくり伸ばし、その位置でけいれんが止まるまで伸ばした状態を維持すると、時間がかかっても必ず止まります。ふくらはぎがつった時は、アキレス腱を伸ばすような姿勢をキープしてください。太ももの前がつった時は、立ったままよりも横になって、足首を持ち、かかとをお尻につけるようにして太もも前を伸ばしてください。太ももの後ろがつった時は、脚を投げ出して座り、上体を前へ傾けて太もも後ろを伸ばしてください。複数の筋肉がつった時は、あきらめて救護所に来てください。救護所でトレーナーが対応します。

※1.けいれん止めの漢方薬や薬は、奈良マラソン救護班としてはお勧めしません。理由は、まずは上記の原因に対する対策を優先した方がよいからで、原因をそのままにしてけいれんを止めようとしてもまた再発しやすいからです。また漢方薬はアンチドーピングの観点からもお勧めできません。

 

【対策2】 関節痛対策は保温.

保温…運動をしても関節は筋肉に比べると温まりにくいです。完走まで4時間以上かかるランナーには、タイツ長ジャージを履くことをお勧めします。ランパンやハーフパンツを好む場合、関節だけにワセリンを塗ると保温効果が有ります。ホットクリームはピリピリ感について好みが有りますので、使い慣れていない場合はお勧めしません。またスタート時の早朝は寒くても日中暑くなった場合、筋肉にホットクリームを塗って暑くなりすぎて苦労したランナーを救護所で対応したこともありますので、天気予報をよく見て判断してください。

救護所では、関節痛に対して、炎症が強いと判断した場合はアイシングをしますが、冷えが原因と考えた場合はホットパックで温めます。

※1.消炎スプレーは、原則として救護所にはありません。消炎スプレーが必要なランナーは自分で持参してください。

※2.関節痛予防として、痛み止めを飲んで走るのはお勧めしません。胃粘膜障害や腎障害の原因となり、脱水状態ではこの可能性を高めます。

 

【対策3】 低体温対策は必須.①速乾性ウエア、②防風ウエア、③手袋、④アームカバー、レッグカバー、⑤糖分補給、対策はこの5つ!

救護所を受診する選手の大半の症状は筋肉痛、関節痛、痙攣と言った運動器の症状ですが、重症化しやすいのは低体温症です。スタート地点のならでんフィールドと比べると、第2折り返し(天理市)付近は山間に入り、風も加わると体感気温で3~5度低いようです。6年前の雪が降ったときよりも4年前の方が低体温症の選手が多かったのですが、この時はスタート時が晴天でもその後気温が上がらず、午後から曇り空で日が差さない状況でした。防寒用にゴミ袋を被ってスタートしたが、途中で暖かいのでゴミ袋を捨ててしまい、レース後半ペースダウンした状況での気温の低さに対応できず、低体温となるパターンが多く見られました。フルマラソンはフィニッシュまで長時間かかりますので、スタート時とフィニッシュ時の気象条件が大きく異なることがしばしば有ります。

①速乾性ウエア…濡れたウエアは体温を奪い低体温を引き起こします。綿のシャツは止めて、速乾性のシャツにしてください。

上位でフィニッシュする選手にも、ランシャツランパンでフィニッシュした後、低体温と脱水で救護所を受診した選手がいました。この選手は走っている最中に暑いからといって身体に水をかけ、その後低体温で救護所に運ばれたのですが、濡れたウエアは想像以上に体温を奪うので要注意です。冬場のレースで水を身体にかけるのは、基本的にはお勧めできません。

②防風ウエア…特に4時間以上かかるランナーは、スタート時に着ていた防寒用のカッパやビニール袋は捨てずに、天理まで持って行くことをオススメします。スタートしてしばらく走ると体が温まりますのでつい捨ててしまいたくなりますが、奈良マラソンの特徴は、コース半ばの天理周辺が、坂がキツイだけでなく気温が低いことです。大きなビニール袋でも折りたためばコンパクトになりますので、ポケットやウエストポーチに入れておくことができます。折りたたんだビニール袋がポケットの中で膨らむのが気になるようでしたら、太目の輪ゴムで縛れば、ビニール袋をコンパクトに収納できます。ビニール袋を着ているときには輪ゴムを手首につけておけば邪魔になりません。長袖のウインドブレーカーなら、胴体部分をクルクル丸めて、袖部分をベルトのようにして腰にくくりつけておけば、走っているときも邪魔になりません。最近のウインドブレーカーは軽くてコンパクトなので、携帯してもそれほど苦になりません。

③手袋…着脱が容易で、つけると「Tシャツ1枚と同じくらい効果がある」と、ランニングクリニックでおなじみの佐藤光子先生がオススメのアイテムです。ぜひ、着用をオススメします!

④アームカバー、レッグカバー…アームカバーやレッグカバーは、気象条件の変化に対応しやすいです。ウエアは当日の天気予報と自分の体調などを考え、無理にランシャツランパンで出場するよりも、寒そうならば長Tシャツやタイツ、迷ったときには半袖シャツやハーフパンツにアームカバーやレッグカバーを組み合わせると良いです。途中で調節しやすいようなウエアの組み合わせをお勧めします。

⑤糖分補給…身体を温めるのに有効なのが「糖分」です。ヒトは食事をすると身体の中で熱を発生します。エネルギー切れ予防だけでなく、寒さ対策としても甘いものをウエストポーチに忍ばせておき、レース後半に活用するのもお勧めします。

 

なお奈良マラソン救護班の寒さ対策は、特に山間部に位置する救護所には採暖用の救護車両を配備しています。また救護所は保温マットを床面に敷き保温力アップに取り組んでいます。

 最後に、レースまであと1週間でできることは限られていますが、今からは無理に練習せずに体調を整え、当日は無理をせず、マイペースでレースを楽しんでください。我々スタッフも選手の頑張りを精一杯応援します。

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