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よむシカない!

過去4年間の救護所受診状況及び大会2ヶ月前対策について

=過去4年間の救護所受診状況から=

【救護所受診状況の概要】

#特徴1.救護所受診者の半数から7割は、筋肉や関節に関する症状

#特徴2.2017年は心肺停止が発生したが救命できた

#特徴3.救急搬送の大半は低体温や脱水などの内科疾患、一昨年は心停止も発生

 

奈良マラソンにおける過去4年間(2015~2018)の救護所受診者の症状もしくは診断名の集計結果を示します。

  

例年救護所に立ち寄られた方の症状のトップ3は、筋肉痛、関節痛、痙攣で、この3つで5割から7割程度を占めることがわかります。

では、それらの症状が受診された救護所はコース全体でどの地点だったのでしょうか。次の円グラフは、筋肉痛もしくは関節痛の症状がどの救護所で多く見られたかについて示しています。

【筋肉痛】 

           2018              2017

  

        2016             2015

   

【関節痛】 

        2018             2017

  

 

 

        2016             2015

 

 

 

奈良マラソンの救護所は全部で14箇所有りますが、これら8つのグラフから、筋肉痛・関節痛による受診場所は第7救護所(白川通路北門)~第9救護所(天理教南④駐車場)の3つの救護所で大半を占めることがわかります。第7救護所は往路では18.5km地点、復路では31.5km地点で、1.5kmほど続く比較的急激な登り坂を上りきった後に位置し、第8救護所は21.5km地点で坂を下りきった所、第9救護所は25.8km地点で一山越えた後の小刻みなアップダウンが続くあたりであることから、坂道の登り下りは筋肉や関節に大きな負荷がかかることが分かります。

 

2017年は8件の救急搬送が有りましたが、内訳は低体温症4件、頭部打撲2件、関節痛1件、嘔吐1件でした。頭部打撲は強風で看板が倒れてきたことによるものと、シカがぶつかってきたことによるものでしたが、残りは全て内科疾患でした。救急搬送される傷病は内科疾患が多いことが分かります。

 

それでは、これらの症状を克服するために、残り2ヵ月でどんな対策が可能でしょうか?

 

 

【筋けいれん・関節痛対策】

対策は①走り込みと、②筋トレ、③シューズです。

  • 走り込み:あと2ヵ月ありますので、無理のない範囲で長い距離を走りましょう。ただし、特に初心者は連日長距離を走るのは止めてください。練習と休養を組み合わせて身体を作りましょう。また今まで長い距離、具体的には10km以上を走ったことがなければ、この時期から無理にいきなり長い距離を走るよりも、歩きでもいいので長時間身体を動かし続けることをお勧めします。
  • 筋トレ:お勧めの種目はスクワットとカーフレイズです。重りを持つ必要はありません。スクワットは膝を90度くらい曲げるハーフスクワットで十分です。回数は多いに越したことはありませんが、2セット以上行うようにしましょう。またカーフレイズ(つま先立ち)も有効です。回数はスクワットと同じです。階段の端などにつま先をかけて踵を浮かせた状態で、しっかり踵を上げ下ろしするのが効果的です。筋トレは、慣れない人は1日おきがよいです。慣れてくれば毎日実施してもいいですが、長距離走の前後は回数、セット数を減らしましょう。
  • シューズ:古いシューズをずっと履いている方は、早めに買い替えて足を慣らしましょう。マラソン用のシューズを持っていない方は、マラソン用のシューズを買いましょう。シューズには多くの種類がありますが、走歴や走り方、体型によって適切なシューズは異なりますので、陸上競技を専門とする店で、店員に十分相談して、納得するまで試し履きをしてから購入してください。

 

【ウエア対策】

 低体温対策は必須.①速乾性ウエア、②防風ウエア、③手袋、④アームカバー、レッグカバー、⑤糖分補給、対策はこの5つ!

救護所を受診する選手の大半の症状は筋肉痛、関節痛、痙攣と言った運動器の症状ですが、重症化しやすいのは低体温症です。スタート地点のならでんフィールドと比べると、第2折り返し(天理市)付近は山間に入り、風も加わると体感気温で3~5度低いようです。6年前の雪が降ったときよりも4年前の方が低体温症の選手が多かったのですが、この時はスタート時が晴天でもその後気温が上がらず、午後から曇り空で日が差さない状況でした。防寒用にゴミ袋を被ってスタートしたが、途中で暖かいのでゴミ袋を捨ててしまい、レース後半ペースダウンした状況での気温の低さに対応できず、低体温となるパターンが多く見られました。フルマラソンはフィニッシュまで長時間かかりますので、スタート時とフィニッシュ時の気象条件が大きく異なることがしばしば有ります。

 

①速乾性ウエア…濡れたウエアは体温を奪い低体温を引き起こします。綿のシャツは止めて、速乾性のシャツにしてください。

上位でフィニッシュする選手にも、ランシャツランパンでフィニッシュした後、低体温と脱水で救護所を受診した選手がいました。この選手は走っている最中に暑いからといって身体に水をかけ、その後低体温で救護所に運ばれたのですが、濡れたウエアは想像以上に体温を奪うので要注意です。冬場のレースで水を身体にかけるのは、基本的にはお勧めできません。

 

②防風ウエア…特に4時間以上かかるランナーは、スタート時に着ていた防寒用のカッパやビニール袋は捨てずに、天理まで持って行くことをオススメします。スタートしてしばらく走ると体が温まりますのでつい捨ててしまいたくなりますが、奈良マラソンの特徴は、コース半ばの天理周辺が、坂がキツイだけでなく気温が低いことです。大きなビニール袋でも折りたためばコンパクトになりますので、ポケットやウエストポーチに入れておくことができます。折りたたんだビニール袋がポケットの中で膨らむのが気になるようでしたら、太目の輪ゴムで縛れば、ビニール袋をコンパクトに収納できます。ビニール袋を着ているときには輪ゴムを手首につけておけば邪魔になりません。長袖のウインドブレーカーなら、胴体部分をクルクル丸めて、袖部分をベルトのようにして腰にくくりつけておけば、走っているときも邪魔になりません。最近のウインドブレーカーは軽くてコンパクトなので、携帯してもそれほど苦になりません。

 

③手袋…着脱が容易で、つけると「Tシャツ1枚と同じくらい効果がある」と、ランニングクリニックでおなじみの佐藤光子先生がオススメのアイテムです。ぜひ、着用をオススメします!

 

④アームカバー、レッグカバー…アームカバーやレッグカバーは、気象条件の変化に対応しやすいです。ウエアは当日の天気予報と自分の体調などを考え、無理にランシャツランパンで出場するよりも、寒そうならば長Tシャツやタイツ、迷ったときには半袖シャツやハーフパンツにアームカバーやレッグカバーを組み合わせると良いです。途中で調節しやすいようなウエアの組み合わせをお勧めします。

 

⑤糖分補給…身体を温めるのに有効なのが「糖分」です。ヒトは食事をすると身体の中で熱を発生します。エネルギー切れ予防だけでなく、寒さ対策としても甘いものをウエストポーチに忍ばせておき、レース後半に活用するのもお勧めします。

 

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