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よむシカない!

過去2年間の救護所の状況から(3)[2017.11.28]

【対策4】 低体温予防

 救護所を受診する選手の大半の症状は筋肉痛、関節痛、痙攣と言った運動器の症状ですが、重症化しやすいのは低体温症です。

 スタート地点の鴻ノ池陸上競技場と比べると、第2折り返し(天理市)付近は山間に入り、体感気温で3~5度低いといわれています。5年前の雪が降ったときよりも3年前の方が低体温症の選手が多かったのですが、この時はスタート時が晴天でもその後気温が上がらず、午後から曇り空で日が差さない状況でした。防寒用にゴミ袋を被ってスタートしたが、途中で暖かいのでゴミ袋を捨ててしまい、レース後半ペースダウンした状況での気温の低さに対応できず、低体温となるパターンが多く見られました。 

 フルマラソンはフィニッシュまで長時間かかりますが、日中になるほど気温が上がるとは限らないので、気象条件に合わせて風を防ぐウエアを携帯しておくのが有効です。

 ランナーの皆様におかれましては、スタート前のカッパやビニール袋を捨てずに、天理まで持って行くことをオススメします。スタートしてしばらく走ると体が温まりますのでつい捨ててしまいたくなりますが、奈良マラソンの特徴は、コース半ばの天理周辺が、坂がキツイだけでなく気温が低いことです。大きなビニール袋でも折りたためばコンパクトになりますので、ポケットやウエストポーチに入れておくことができます。折りたたんだビニール袋がポケットの中で膨らむのが気になるようでしたら、太目の輪ゴムで縛れば、ビニール袋をコンパクトに収納できます。ビニール袋を着ているときには輪ゴムを手首につけておけば邪魔になりません。長袖のウインドブレーカーなら、胴体部分をクルクル丸めて、袖部分をベルトのようにして腰にくくりつけておけば、走っているときも邪魔になりません。

 最近のウエアは軽くてコンパクトなので、携帯してもそれほど苦になりません。

 

 

 上位でフィニッシュする選手にも、ランシャツランパンでフィニッシュした後、低体温と脱水で救護所を受診した選手がいました。

 走っている最中に暑いからといって身体に水をかけ、その後低体温で救護所に運ばれた選手がいましたが、濡れたウエアは想像以上に体温を奪うので要注意です。冬場のレースで水を身体にかけるのは、よほど速い選手で無い限りオススメできません。 

 ウエアは当日の天気予報と自分の体調などを考え、無理にランシャツランパンで出場するよりも、半袖シャツやアームカバー、手袋、カーフタイツなどをうまく組み合わせて、気象条件の変化に対応しやすい工夫をお薦めします。

 特に手袋は着脱が容易で、着けると「Tシャツ1枚と同じくらい効果がある」と、ランニングクリニックで佐藤光子先生がオススメのアイテムでした。ぜひ、着用をオススメします!

 また、身体を温めるのに有効なのが「糖分」です。ヒトは食事をすると身体の中で熱を発生します。エネルギー切れ予防だけでなく、寒さ対策としても甘いものをウエストポーチに忍ばせておき、レース後半に活用するのもお薦めします。

 奈良マラソンにおいては、特に山間部に位置する救護所には採暖用の救護車両を配備したり、保温マットを床面に敷き救護所の保温力アップに取り組んだりと、低体温症で受診する選手への対策を進めています。

 

 最後に、レースまであと残り少なくでできることは限られていますが、丁寧な準備を行い、当日は無理をせず、マイペースでレースを楽しんでください。我々スタッフも選手の頑張りを精一杯応援します。

 

 

      (文責:奈良マラソン救護委員会メディカルチーフ(奈良教育大学教授)笠次良爾)

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